加藤春岱（かとうしゅんたい）

江戸から明治期の瀬戸焼の陶工で1802（享和2）年に瀬戸赤津に生まれました。通称は宗四郎。家柄は瀬戸赤津御窯屋三家の一つで仁兵衛家。その16代（15代とも）弥宗右衛門景典春山の息子。 15歳で御窯屋に列し御深井窯に出仕する。

1838（天保9）年に罪を得て御窯屋職を免ぜられて赤津・今尾（現岐阜県海津市平田町）・名古屋市昭和区の川名町で制作をすることになりました。この頃の作品が多く銘印が押され後世に残されたとみられています。 ※織部茄子絵茶碗：小振である。 ※銘印：「春岱」小判形 ※松尾家十世宗吾不染斎書付

1866（慶応2）年に許しを得て再び御窯屋職に復帰し明治初年の御庭焼廃止まで奉仕しました。また廃藩に伴い職も解かれました。その後の生活は悲惨を極めたようで知り合いの家をまわり食客（居候のこと）となりながら悲運のうちに1877（明治10）年、67歳の生涯を閉じることになりました。

※参考資料：黒田和哉「近世・近代茶陶の茶陶窯場名工名鑑」（淡交社）

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