金城次郎（きんじょうじろう）

琉球陶器壺屋焼の作家。1912（大正元）生まれ。2004（平成16）年、没。沖縄県那覇市与儀に生まれ、壺屋焼の名工として知られた新垣栄徳の製陶所で13歳から製陶に従事し、1946（昭和21）年に36歳で独立しました。戦前より壺屋でたびたび制作を行っていた浜田庄司、河合寛次郎らに指導を受けて沖縄の風土に根差した健全な作風と伝統を守ってきました。

坏土の調整から蹴轆轤による成形、各種伝統的な装飾技法、登窯による焼成まで一貫工程を通しての上焼技法を総合的に体得しました。特に白い化粧掛けを施した素地の上に線彫りで躍動感に溢れた魚やエビの模様を彫り、藍・飴などの色釉を差した素朴で親しみのある作調は県内外の幅広い支持を受けました。また国画会展などに出品され高い評価も受けました。

戦後壺屋が市街地となり、公害問題により薪を燃料とする登窯の焼成が困難になり、1973（昭和47）年、読谷村字座喜味に窯を築き琉球陶器の保存と発展に尽力しました。 1985年重要無形文化財「琉球陶器」保持者（人間国宝）に認定されました。 ※参考文献ー人間国宝事典ー工芸技術編（芸艸堂）

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