加藤卓男(かとうたくお)1917(大正6)~2005(平成17)

岐阜県多治見市、江戸時代より代々『幸兵衛』を名乗る窯元の生まれで、父は5代加藤幸兵衛。昭和5年に荒川豊蔵が桃山時代の志野古窯跡を発見、以来土岐川流域の丘陵地帯に起こる発掘ブームを見て育ちました。

太平洋戦争に従軍、終戦の年には広島で被爆され10年間闘病生活を送ることになりました。日展に初入選した時にはすでに36歳になっておられました。

昭和36年にフィンランド政府の招待と工業技術院の斡旋により、意匠と技術の交流のためフィンランドの工芸美術学校に留学しました。留学中にペルシャを旅行、イラン国立考古博物館で9~10世紀のイスラム陶器、ペルシャ三彩・青釉、ラスター彩陶に接し、これが後の陶芸家としての方向を決定づけたといわれています。作風はその再現と、その方法を現代陶芸の制作活動に生かした独自の領域を確立されました。

1995年に重要無形文化財「三彩」の保持者に認定されました。(2005年解除)

作品一例

・青釉胡姫文手付花入

箱書と陶印

 

 

※参考文献「人間国宝事典(芸艸堂)」

 

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